この記事の結論(先にお伝えします)】 HELM-AIP(ヘルム・エーアイピー)は、Palantirの中核思想である「オントロジー(会社の現実をソフトに再現する仕組み)」「実行までつなげる」「FDEによる現場伴走」を、日本の中堅・中小企業が使える形に再現したものです。Palantirは超高価で大企業・政府向けですが、HELM-AIPは、ソフト利用料に成果報酬型を組み合わせて導入しやすくし、AIが打ち手の提案まで自動で出し、私自身がFDEとして伴走します。さらに、使うほど賢くなり、顧客が増えるほど強くなる。前編で解説したPalantirとFDEの思想を、中小企業の現実に翻訳した挑戦です。
この記事は、前編「Palantir(パランティア)とは何か、FDEとは何か」を読んだ方、そして「その思想を、自社のような中小企業でも使えるのか」と感じた経営者に向けています。
前編では、Palantirとは何か、そしてFDE(Forward Deployed Engineer)とは何かを解説しました。Palantirは、オントロジーで会社の現実をソフトウェアに再現し、データと判断と実行をつなげる。FDEが現場に入り込み、技術と現場の溝を埋める。この「仕組み」と「人」の両輪が、Palantirの強さの正体でした。
ただ、Palantirは非常に高価で、大企業や政府向けです。日本の中堅・中小企業が、そのまま導入できるものではありません。
私は、AI×経営の領域に長く携わってきた中で、ずっと考えてきました。この本質的な思想を、日本の中小企業が使える形に、再現できないか。その答えとして作っているのが、HELM-AIPです。後編では、HELM-AIPがPalantirとそのモデルを、どう再現したのかを、具体的に書きます。
■ 再現したもの その1:オントロジー ── 会社の現実をソフトに写し取る
Palantirの心臓部は、オントロジーでした。バラバラなデータを、現実のビジネス(顧客・商品・取引)と結びつけ、会社の現実をソフトウェア上に再現する仕組みです。
HELM-AIPも、これを中核に据えています。中小企業の中で、顧客情報、売上、契約、在庫、取引が、バラバラのシステムに散らばっている。それを統合し、「これは顧客」「これは契約」「この顧客が、この契約を結んでいる」という現実の関係性を、ソフトウェアの中に写し取る。会社のデジタルな双子を作る。
これは、単なるデータの集計やグラフ表示とは、まったく違います。会社の現実そのものを再現するから、そのうえでAIが判断し、打ち手を提案できる。Palantirが大企業でやっていることの本質を、中小企業の規模とデータに合わせて再現しています。
(要点:HELM-AIPはPalantirの心臓部「オントロジー」を再現。中小企業のバラバラなデータを統合し、会社の現実をソフトに写し取る=デジタルな双子を作る。単なる集計やグラフとは次元が違う。)
■ 再現したもの その2:分析で終わらせず、「実行」までつなげる
Palantirのもう一つの本質は、データを「見る」だけで終わらせず、判断と実行までつなげることでした。
HELM-AIPも、ここを徹底しています。オントロジーで会社の現実を再現したら、AIがその状態を読み、「どこに手を打てば利益が動くか」を分析する。そして、ここが重要ですが、分析で終わらせない。AIが具体的な打ち手を提案し、経営者が承認すれば、実行に移す。実行した結果は、またオントロジーに書き戻され、次の提案が変わる。
この「オントロジー→AIが打ち手を提案→承認→実行→結果が戻る→次の提案が変わる」というサイクルこそ、Palantirの思想の核心であり、HELM-AIPが再現した最も重要な部分です。AIが勝手に実行するのではなく、あくまで提案し、人が承認する。この安全な設計も、Palantirに倣っています。
(要点:HELM-AIPはPalantir同様、分析で終わらせず実行までつなげる。AIが打ち手を提案→人が承認→実行→結果が戻り次の提案が変わる。AIは提案、実行判断は人、という安全設計もPalantirに倣う。)
■ 再現したもの その3:FDE ── 私自身が、現場に伴走する
そして、Palantirのもう一つの主役、FDE。顧客の現場に入り込み、技術と現場の溝を埋める人。
Palantirは、大勢のFDEを抱えています。でも、中小企業向けにそれをやるなら、大勢のエンジニアを送り込むわけにはいきません。ここが、私の答えです。私自身が、FDEの役割を担います。
私は、顧客の現場に入り込み、その会社のオントロジーを設計し、どこに打ち手があるかを一緒に見つけ、実行まで伴走します。AI×経営の現場で、実際に数字を動かしてきた経験があります。だから、単なるツールの提供者ではなく、経営の隣に立つFDEとして動ける。
そして、私一人ではありません。AIが、そのFDEの働きを増幅します。データの統合、打ち手の提案、自動化。かつてPalantirが大勢のFDEでやっていたことを、私自身とAIの組み合わせで実現する。これが、中小企業向けにFDEモデルを再現する、現実的な形です。
(要点:Palantirは大勢のFDEを抱えるが、HELM-AIPでは私自身がFDEとして現場に伴走する。AI×経営の実務経験に加え、AIがFDEの働きを増幅。人とAIの組み合わせでFDEモデルを中小企業向けに再現。)
■ 中小企業向けに「変えた」こと ── Palantirとの違い
ここまでは「再現したもの」でした。次に、中小企業向けにするために「変えた」ことを、正直に書きます。Palantirをそのまま小さくしたのではなく、日本の中小企業の現実に合わせて、意図的に変えた点です。
変えたこと1:料金に、成果報酬型を組み合わせた。 Palantirは非常に高価で、先に大きな投資が必要です。中小企業には、これは重すぎる。だからHELM-AIPは、ソフトの利用料に加えて、成果に連動する成果報酬型を組み合わせました。利用料だけの一方通行ではなく、成果が出れば報酬が増え、成果が出なければ抑えられる。先に大きな投資を求めるのではなく、成果とともに対価が生まれる形にすることで、中小企業が無理なく始められることを重視しています。
変えたこと2:AIが、打ち手の提案まで出す。 Palantirは強力な基盤ですが、それを使いこなすには専門人材が要ります。中小企業には、その人材がいない。だからHELM-AIPは、AIが会社の状態を読んで、「次にこういう手を打つべき」という提案まで、自動で出すようにしました。専門家がいなくても、次の一手が見える。
変えたこと3:日本の中小企業の実情に、徹底的に合わせた。 データがバラバラ、デジタルを外注している、人手が足りない、社内にIT知見がない。この現実を前提に設計しています。大企業の理想論ではなく、地方の中堅・中小企業が、実際に使えることを重視しています。
(要点:Palantirをそのまま小さくしたのではない。①ソフト利用料に成果報酬型を組み合わせた②AIが打ち手の提案まで自動で出す③日本の中小企業の現実(データ分散・外注・人手不足)に徹底的に合わせた。)
■ Palantirを超えるかもしれない部分 ──「使うほど、増えるほど賢くなる」
最後に、HELM-AIPが、ある面ではPalantirの思想をさらに推し進めている点を書きます。
HELM-AIPは、使えば使うほど賢くなります。実行の結果がオントロジーに還流し、次の提案の精度が上がる。データが増え、打ち手の実績が溜まるほど、AIの提案は磨かれていく。一つの会社の中で、この学習のループが回ります。
そして、もう一段あります。私は、一つの会社で得た「打ち手の型(知見)」を、抽象化して蓄えていく仕組みを構想しています。ある会社で効いた打ち手のパターンを、別の会社でも(その会社に合った形で)使えるようにする。もちろん、生のデータは決して混ぜません。あくまで「型・知見」だけを、抽象化して受け渡す。
これが実現すれば、顧客が増えるほど、蓄積された型が増え、新しい会社の立ち上がりが速くなる。顧客が増えるほど、プラットフォーム全体が賢く、強くなっていく。Palantirが一社一社に深く入り込むのに対し、HELM-AIPは、中小企業のネットワーク全体で知見を育てる。ここは、Palantirとは違う、HELM-AIPならではの可能性だと考えています。
(要点:HELM-AIPは使うほど賢くなる(結果が還流し提案が磨かれる)。さらに、会社を超えて「打ち手の型・知見」を抽象化して蓄える構想。生データは混ぜない。顧客が増えるほどプラットフォーム全体が強くなる=Palantirとは違う可能性。)
■ よくある質問(Q&A)
Q. HELM-AIPは、Palantirと同じものですか? A. 同じではありません。Palantirの中核思想(オントロジー、実行までつなげる、FDEの伴走)を、日本の中堅・中小企業が使える形に再現したものです。高価で大企業向けのPalantirに対し、HELM-AIPはソフト利用料に成果報酬型を組み合わせて導入しやすくし、AIが提案まで出し、私自身がFDEとして伴走します。
Q. Palantirの「オントロジー」を、中小企業でも作れるのですか? A. はい。会社の規模に関わらず、顧客・商品・契約・取引といった現実のビジネスは存在します。それらのデータを統合し、関係性をソフトウェアに再現するのがオントロジーです。むしろデータがバラバラな中小企業ほど、統合の効果は大きくなります。
Q. HELM-AIPにおける「FDE」は誰ですか? A. 私自身(清水竜元)が、FDEの役割を担います。顧客の現場に入り込み、オントロジーを設計し、打ち手を一緒に見つけ、実行まで伴走します。そして、AIがそのFDEの働きを増幅します。人とAIの組み合わせで、中小企業向けにFDEモデルを実現しています。
Q. Palantirより優れている点はありますか? A. 優劣ではなく、狙いが違います。ただ、HELM-AIPは「使うほど賢くなり、顧客が増えるほどプラットフォーム全体が強くなる」ことを目指しています。会社を超えて打ち手の型・知見を(生データは混ぜず)蓄える構想は、中小企業のネットワークならではの可能性だと考えています。
■ 最後に ── 大企業だけのものだった仕組みを、中小企業へ
前編と後編を通じて、Palantirとは何か、FDEとは何か、そしてHELM-AIPがそれをどう再現したかを書いてきました。
Palantirが実現してきた「会社の現実をソフトに写し取り、判断と実行までつなげ、現場に伴走して価値を生む」という仕組み。これは長い間、莫大な予算を持つ大企業や政府だけのものでした。私は、この本質を、日本の中堅・中小企業が使える形にしたい。それが、HELM-AIPを作っている理由です。
オントロジーで会社の現実を再現し、AIが打ち手を提案し、私がFDEとして実行まで伴走する。ソフト利用料に成果報酬を組み合わせ、成果とリスクをともにする。そして、使うほど、仲間が増えるほど、賢くなっていく。
もし「Palantirのような仕組みを、うちのような会社でも使えるのか」と感じたなら、一度お話を聞かせてください。御社のデータの現状を整理し、どんなオントロジーが作れて、どんな打ち手が見つかりそうかを、一緒に考えるところから始まります。売り込みではなく、現状整理の相談から。それが、HELM-AIPの最初の一歩です。
清水竜元(ヘルシーパイレーツ株式会社 代表)
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