Palantirを、誰も知らなかった頃に私は知っていた ── なぜ私がHELM-AIPを作るのか
ヘルシーパイレーツ株式会社 代表 清水竜元
経営の現場には、いつも同じ悩みがあります。広告も打っている。施策もやっている。社内には数字も揃っている。それなのに、肝心の営業利益が思うように動かない。
なぜなのか。私はその答えを、ある米国発の技術と出会った日から、ずっと考え続けてきました。今日はその話から始めさせてください。HELM-AIPという経営プラットフォームを、なぜ私が作っているのか。その原点の話です。
2017年、ある米国企業の技術に出会った
私が Sqreem Technologies という会社に接触したのは、2017年のことでした。
Sqreem Technologies は、もともと米国の捜査・情報機関向けに技術を提供していた会社です。膨大で、バラバラで、つながりの見えないデータの海の中から、意味のある関係性を見つけ出す。誰も気づいていなかった「つながり」を浮かび上がらせる。そういう技術を持った会社でした。
私は、その技術に強く惹かれました。マーケティングや広告の文脈ではなく、もっと根っこの部分です。「散らばった情報を、意味のある一枚の絵につなぎ直す」という発想そのものに、これは経営を変える力だと直感したのです。
そして2年後の2019年、私はこの Sqreem Technologies とジョイントベンチャー(JV)を設立しました。楽天スクリームの創業に関わった時期です。
「競合はどこか」と聞いて、返ってきた名前
JVの準備を進める中で、私は Sqreem Technologies の人間に、率直にこう尋ねました。
「あなたたちの競合は、どこなのか」
返ってきた答えは、たった一社でした。
「Palantir(パランティア)だ」
正直に言えば、当時の私の周りで、Palantir という名前を知っている日本人はほとんどいませんでした。2017年から2019年といえば、Palantir が日本で広く語られるよりずっと前のことです。今でこそ経営者やビジネスパーソンの間で当たり前のように名前が出るようになりましたが、当時はまるで違いました。
私は、まだ誰も騒いでいない頃に、その名前を「競合」として聞いていた。これは私にとって、今も大きな意味を持つ出来事です。
マーケティングへ進んだSqreem、国防へ進んだPalantir
面白いのは、同じ「バラバラのデータをつなぐ」という技術を出発点にしながら、二社の進む道が、その後はっきりと分かれていったことです。
Sqreem Technologies は、人々の行動データを束ねて読み解く、マーケティングの市場へと進みました。一方の Palantir は、軍や政府機関、国防の領域へと深く入っていきました。それまで縦割りでつながっていなかった政府機関のデータベースを、一つにつなぎ直す。そういう仕事です。
出発点は同じ。なのに、行き先はまるで違う。私はこの二社を間近で見ながら、一つの確信を持ちました。
「散らばったデータを意味のある形につなぐ」という技術は、使い方次第で、世界のどんな現場でも効く。マーケティングでも、国防でも、そして──ふつうの会社の経営でも。
その力を「日本の会社の経営」に向けたら、何が起きるのか
国防や巨大企業のための仕組みは、確かにすごい。でも、それは遠い世界の話に聞こえるかもしれません。私が本当にやりたかったのは、もっと手前のことでした。
日本の、地方の、中堅・上場企業。本業があり、通販があり、ECがあり、店舗がある。事業ごとに数字はあるのに、それが別々の場所にしまわれていて、会社全体の利益が、実は誰にもはっきり見えていない。
こういう会社は、決して珍しくありません。むしろ日本の屋台骨です。デジタルの外注費は年々増えているのに、その投資が営業利益に効いているのかどうか、自信を持って言える経営者は多くない。眠っている顧客名簿が何十万件、何百万件とあっても、それが一円のお金にも変わっていない。
私が Sqreem と Palantir から受け取った発想は、まさにこの課題のためにあると考えました。バラバラの数字を一つにつなぐ。つないだ数字から「どこをいじれば利益が動くか」を見つける。効きそうな順番に並べて、実際に手を打つ。
難しい言葉はいりません。やることはシンプルです。会社の数字を一枚の絵につなぎ直し、利益を動かす一手を見つけ、本当に実行するところまで一緒にやる。それがHELM-AIPです。
私は「道具を納めて終わり」にはしない
最後に、これだけは伝えておきたいことがあります。
世の中には、便利な道具を売って、あとはお客様にお任せ、というやり方があります。私はそれをやりません。道具を渡されただけでは、会社は変わらないからです。
Sqreem も Palantir も、ただソフトを納品して去る会社ではありませんでした。顧客の現場に深く入り込み、その組織の課題に合わせて技術を「効く形」にして初めて、結果が出る。私はそれを、すぐ隣で見てきました。
だから私は、利益が実際に出るまで、経営の隣に立ち続けます。数字をつなぐところから、一手を選ぶところ、実行して振り返るところまで。これがHELM-AIPの、そして私のやり方です。
誰も Palantir を知らなかった頃に、私はその名前を聞いていました。あの日に受け取った発想を、今度は日本の会社の経営の現場へ届ける番だと思っています。
もし今、「施策はやっているのに利益が動かない」「事業ごとに数字はあるのに、会社全体が見えない」「眠っている顧客名簿を、まだ活かせていない」――そんな手応えのなさを感じているなら、一度お話を聞かせてください。
御社の数字のどこに利益を動かす余地があるのか。それを一緒に見つけるところから、HELM-AIPははじまります。売り込みではなく、まずは現状を整理する相談からで構いません。ぜひ一度、ご相談ください。
