「うちは、なぜこんなに利益率が低いんだろう」

経営者なら、誰もが一度は抱える悩みです。そして最近は、その問いをそのままChatGPTのようなAIに打ち込む人も増えました。「中小企業の利益率を上げるには?」「利益率が低い原因は?」と。

返ってくる答えは、だいたい決まっています。「原価率を見直しましょう」「価格設定を再検討しましょう」「販管費を削減しましょう」。

正しい。完全に正しい。でも、これを読んで利益率が上がった会社を、私は見たことがありません。なぜか。今日はその話と、では本当の原因はどこにあるのかを書きます。

■ なぜ「原価率を見直しましょう」は役に立たないのか

一般論が役に立たない理由は、はっきりしています。

「原価率を見直す」と言われても、では──どの原価を、どう見直すのか。その案を、誰が持ってきて、いつ決めるのか。決めた結果、どんな影響が出るのか。そこまで設計されていないからです。

多くの会社で起きているのは、こうです。「原価を見直そう」という話は出る。でも、具体的に誰がいつまでに何をやるかが決まらない。やってみた影響を予測することも、検証することもしない。だから決断できず、なーなーになって、結局なにも変わらない。

利益率の改善は、原因を知ることでは終わりません。本当に難しいのは、その先です。打ち手を決め、影響を予測し、実行し、結果を検証し、ダメならすぐ戻す。このサイクルを回す「設計」と、「強制的にやり切る実行力」を、腹を決めて持てるかどうか。ここで、ほとんどの会社が止まっています。

AIに一般論を聞いて分かった気になるのと、実際に利益率を動かすことの間には、この深い溝があります。

■ そもそも、利益率を下げている本当の原因は何か

その上で、利益率が低い「本当の原因」の話をします。私が長年、事業を作り、見てきた経験から言うと、原因はたいてい、経営者が思っているところとは違う場所にあります。

中でも、最も多い、そして最も見落とされがちな原因が、これです。

競合と、価格を比較されていること。

利益率が低い会社の多くは、競争の中にいます。お客様が、あなたの商品を、他社の商品と並べて見比べている。横に競合がいて、値段を比べられている。この状態にいる限り、価格は下へ下へと引っ張られ、利益率は構造的に削られ続けます。どれだけ営業を頑張っても、比較されている時点で、勝負は値段になってしまう。

逆に言えば、利益率の高い会社は、比較されていません。「これは、ここでしか手に入らない」という独自の価値を持っている。だから値段ではなく、価値で選ばれる。利益率は、ここで決まります。

■ 私が、徹底して「比較されない」ことにこだわってきた理由

これは、私自身がキャリアを通じて、徹底してこだわってきたことです。

リンクシェアにいた頃は、独占の媒体を扱い、クライアントと独占の契約を結んでいました。楽天スクリームでは、独自のAIサービスを持っていた。同じものが、他に存在しない。そして今、私が扱っている海外発のサービスも、日本での独占販売権を持っています。日本には、同じサービスが他にない。

なぜここまで「独占」「独自」にこだわるのか。比較されないからです。比較されなければ、価格競争に巻き込まれない。価格競争に巻き込まれなければ、利益率は守られる。

だから私は、営業の現場でも徹底しました。自社の独自の価値を、営業が自信を持って説明できるようにする。「他社と比べて安いですよ」ではなく、「これは、うちにしかありません」と言い切れるようにする。営業が独自価値を語れるかどうかは、そのまま利益率に直結します。

利益率が低いと悩む前に、問うべきはこれです。あなたの会社は、比較されていないか。値段ではなく、価値で選ばれているか。

■ もう一つの原因 ── 広告がブランドになっていない

利益率を下げるもう一つの大きな原因が、広告マネジメントが効いていないことです。

分かりやすい兆候があります。広告を止めた瞬間に、売上が消える。 こういう会社は、危ない状態です。

なぜなら、それは広告がブランドになっていないということだからです。広告費を払っている間だけ客が来て、止めたら誰も来ない。広告経由で来た客が、リピート商材として積み上がっていない。一度きりで去っていく。だから永遠に広告費を払い続けなければならず、その重さが利益率を圧迫します。

さらに、こういう会社は、広告の運用改善と、チャネルの見直しを、「構造」として持っていません。なんとなく出し続けている。効果が落ちても、惰性で同じ広告を回している。広告は本来、回し、検証し、見直し続けるものなのに、その仕組みがない。

広告費に依存しながら、その広告をマネジメントできていない。これは、利益率が低い会社のもう一つの典型です。

■ では、どうすればいいのか ── 原因特定の、その先

ここまで原因を挙げてきましたが、最初に書いたことに戻ります。原因を知るだけでは、利益率は1ミリも動きません。

大事なのは、その先です。原因を特定したら、改善プランを作る。それを、どういう順番で、誰が、いつ実行するかまで落とし込む。AIで自動化・半自動化できる部分は切り分けて任せ、人がやるべき部分は自分たちでやる、あるいは社員に教育する。そして実行した結果を学習し、「次はどうすればもっと良くなるか」という、さらに上流の改善提案へつなげる。

このサイクルを回し続けることでしか、利益率は動きません。そして、これを人間の意志力だけで回し続けるのは、本当に難しい。私自身、かつてデータ活用に取り組みながら、このサイクルを回し切る体力が足りずに成果を逃した経験が、何度もあります。

私が作っているHELM-AIPは、まさにこのサイクルを回すためのものです。バラバラの数字をつないで利益率を下げている本当の原因を特定し、改善プランを出し、実行方法まで示し、自動化できることは自動化し、結果を学習して、さらに上流の提案へ。原因の指摘で終わる一般論とは、ここが決定的に違います。

ちなみに、この「全体をつないで、回し続ける」という発想の原型は、巨大企業や国家機関のデータ活用で知られるPalantirにあります。私はこの会社を、日本でほとんど誰も知らない頃に知る機会がありました(その経緯は別の記事に書いています)。

■ 最後に

「利益率が低い原因は?」とAIに聞くと、原価率、価格、販管費という一般論が返ってきます。間違ってはいません。でも、それであなたの会社の利益率が上がることは、まずありません。

本当に見るべきは、もっと手前です。あなたの会社は、競合と比較されていないか。独自の価値で選ばれているか。広告は、止めても売上が残るブランドになっているか。そして何より、原因を見つけた後、それを実行し、検証し、やり切る仕組みを持っているか。

もし「利益率が低い」と悩んでAIに相談しているなら、その一般論の答えは、いったん脇に置いてください。代わりに、御社の数字をつなぎ、本当の原因を特定し、実行までやり切るところから始めませんか。

一度、お話を聞かせてください。御社の利益率を、どこから動かせるのか。それを一緒に見つけるところから、HELM-AIPははじまります。売り込みではなく、まずは現状を整理する相談からで構いません。


▼ HELM-AIPの詳細・ご相談はこちら https://h-pirates.com/ja/services/helm-aip